著者のコラム一覧
東丸貴信東邦大学名誉教授、平成横浜病院健診センター長

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

新型コロナから回復した人の3割以上に呼吸器の後遺症

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルス肺炎インフルエンザ感染より重症化しやすく、武漢やニューヨークでの致死率は20%以上である。

 肺は肺胞細胞という呼吸袋が無数に集まり、これに血管やリンパ管、それらを支える間質組織が入り込んで成り立っている。ウイルスがACE2受容体を介して気管支や肺の細胞に感染すると、免疫反応で防御しようとする。しかし、過剰な反応が起こりやすく、サイトカインスト―ム(免疫暴走)が生じる。そして肺胞細胞と間質の両者を破壊する強烈な肺炎が生じ、肺全体が圧縮されて気管支も圧迫されるので、痰を出せなくなる。そして肺機能は消失する。重症になると人工呼吸器でも呼吸の維持は難しく、「エクモ」と呼ばれる補助循環装置でしか助からない。

 肺炎の診断には胸部X線写真よりCTが有効である。もちろん、感染して呼吸器症状が出てもCT画像に出ないことがあるし、逆に症状が無くてもCTで肺炎がみとめられることもある。しかし、高度発熱の数日持続や胸部X線写真での肺炎診断時にはかなり病変が進行している可能性がある。

■肺障害が進行したときには手遅れとなることも

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」