注射で「アトピー性皮膚炎」を治療する時代がやって来た

公開日: 更新日:

 そこで2008年に登場したのが、免疫抑制薬「シクロスポリン」の内服療法だ。アトピー性皮膚炎のかゆみに関係するインターロイキン2などのサイトカイン産生を抑制する。対象は重症患者で、腎臓への負担、血圧上昇などの副作用があり、通常のクリニックでは処方が難しかった。

「18年に登場したのがアトピー性皮膚炎治療薬として初の生物学的製剤です。アトピー性皮膚炎のかゆみ物質だと明らかになったインターロイキン4とインターロイキン13のサイトカインの働きを抑え、アトピー性皮膚炎の皮膚内部のTh2細胞の働きを抑制します」

 この生物学的製剤「デュピルマブ」は、2週間ごとの皮下注射で行われる。19年からは在宅自己注射も可能になり、12週間分(6本)を処方してもらえるようになった。

 15歳から受けられ、効き目がいい人では注射後2時間程度でかゆみの軽減を実感。遅い人でも1~2週間でかゆみが改善され、人によっては1カ月くらいで注射と保湿剤だけで保てるようになる。

 ただし、それまで使用していたステロイド外用薬を急に中止すると副腎抑制などの副作用が起こるリスクがあるので、自己判断で薬をやめないこと。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」