在宅医療に不可欠な存在「ルートマネジャー」の役割は?
次に、患者さんは、人生の締めくくりが近づいている方、それまでは調子が良かったけれど2~3日前に急に調子が悪くなった方、またはお薬が合わず調整している方などさまざま。治療の難しい症例や時間がかかる症例なども。この患者さんには、どの専門知識のある医師が適しているか。患者さんの状態に合わせて“色分け(トリアージ)”しながら、医師との組み合わせやラインの振り分けも考えなくてはなりません。
さらにルートマネジャーは、スタッフがご自宅に訪問する時間も管理しています。訪問看護さんの時間と重複しない時間帯、同席してもらった方がいい場合はその時間帯、ご家族がいる時間帯などです。
患者さんにとってどんなキャラクターの医師がいいかを考慮するのも、ルートマネジャーの業務。
患者さんの中には同性の先生がいいという方がいます。なるべく決まった医師に診てもらいたい方、逆にいろんな先生の意見を聞きたい方、診療パートナーが知る先生ならどなたでもいいよとおっしゃる方などもいます。
また、比較的落ち着いている方やそうじゃない方、論理的な話し方を好む患者さん、逆にたくさん雑談をしながらふんわりと事柄を聞きたい患者さんなども……。こういった患者さんのパーソナリティーに注意を払い、それに合わせたコミュニケーションの仕方を訪問スタッフにアドバイスし、患者さんとの意思疎通に齟齬がないようにするのも、ルートマネジャーなのです。
このように在宅医療は、医療だけでなく、多種多様なスペシャリストに支えられ、成り立っているのです。