「もしも」の時も慌てて救急車を呼ばずに主治医に電話を
在宅医療中の患者さん側の困り事には、基本的に「今困っていること」「私たちから見て客観的に困っていると思われること」「これから困るであろうこと」の3つに分けて考えています。
このうち予想のつく困り事の場合、あらかじめ解決の道筋をつけて準備しておけば、ご家族も慌てることなく落ち着いて対処できます。具体的にどういったことを念頭に置いておけばいいか、次に挙げたいと思います。
まずは、「自分たちだけでやってしまわない」。たとえば、入院から在宅医療に切り替えた患者さんがいた場合、家族は薬の世話やトイレの付き添いをはじめ、すべてを自分たちでしなければいけないと考えがちです。
しかし、心配ご無用。今の医療保険や介護保険はとても充実しており、収入により決まった上限額の負担で、がんの末期であれば医師や訪問看護師さんが連日介入し、全身の状態の確認や投薬の管理などを行います。だから、安心して頼ってください。独居の方でも同じで、人の手を借りることをいとわずに頼ってもらえればと思います。
次に、「在宅医療スタッフへなんでも気軽に相談し連絡する」。患者さんやご家族は悩みや迷いがあっても、「家に来てもらうほどじゃないし、もし連絡したらお医者さんに迷惑かも」「こんなことを相談してもよいのか判断がつかない」など迷われる方が多い。しかし、少しでもなにかあれば気軽に連絡してください。