著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

糖尿病の治療薬そのものが認知症対策に役立つ可能性あり

公開日: 更新日:

 研究者は、今後、より精度の高いランダム化比較試験が必要としながらも、「糖尿病患者の高血糖状態が続くと、脳内のアミロイドβの蓄積によって、アルツハイマー型認知症のリスクが高くなると考えられる」「研究では、アミロイドβが少ないだけでなく、アルツハイマー型認知症に関連する脳の領域でも低いレベルが示された」とコメントしています。

 糖尿病と認知症の関連については、メトホルミンという薬も認知症対策に有効なのではないかと期待されています。

 研究を行ったのは、オーストラリアのガーバン医学研究所の研究者です。70~90歳の高齢者1037人を6年間追跡。調査開始時は全員、自宅で生活しており、認知症の兆候はありませんでした。

 1037人のうち、123人が糖尿病で、67人がメトホルミンを服用。6年間の研究期間中、2年ごとに認知機能テストが実施され、メトホルミンを服用していた糖尿病患者は、服用していない患者に比べて認知機能の低下が遅く、認知症のリスクが低いことがわかりました。さらに、メトホルミン服用の糖尿病患者は、糖尿病でない人に比べても認知機能の低下が6年間で差がなかったのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情