米国ではブタの心臓を人間に 「異種移植」は長く研究が続けられている
今回は残念ながら患者さんを救うことはできませんでしたが、これからも異種移植の研究はさらに続き、進歩していくのは間違いありません。というのも、現状では人間と人間=同種間での移植用の臓器が大幅に不足しているからです。
日本では、臓器の移植を希望して待機している患者さんが約1万5000人いるといわれています。対して、実際に移植を受けられた人は年間およそ400人ですから、まったく足りていない状況です。また、米国では移植希望で待機中の人は10万人に上るといわれ、臓器の提供を待ちながら1日平均17人が死亡しているという報告もあります。
異種移植はこうした現状を打破する可能性を秘めているといえます。次回、あらためて詳しくお話しします。
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