6月はプライド月間だが…米南部で強まるLGBTQへの医療差別
実はフロリダ州ではこれに先駆け、通称「“ゲイと言うな”法」が成立していました。これは小学校3年生以下のジェンダー教育を禁止し、図書館からLGBTQに関する本を撤去するというものです。幼い頃の教育が性的志向に影響するのではという親の懸念が、こうした法令に反映された形です。
実はこれはフロリダ州に限ったことではなく、アラバマ州でも同様の法律が成立、テキサス州やオハイオ州などでも同様の法案が提案されています。こうした保守共和党が優勢な州でLGBTQへの締め付けが強まり、リベラル民主党が強いニューヨークやカリフォルニアなどと強い対比を見せています。
その背景には、極端に分断した今のアメリカでは、銃規制や人口妊娠中絶問題などと同様に、LGBTQの権利も政治問題になっているという現実があります。
特に共和党の政治家にとって、LGBTQの権利の拡大を快く思わない保守層の票を集めるのに、こうした法令や措置が役に立つと考えられているからです。