認知症で徘徊する人、しない人はどこに違いがあるのか?
もともとインドア派で外出しないタイプなら、徘徊しないことが多いといえます。また、多趣味であちこちに行っていたタイプも、記憶が分散されているため、徘徊は少ない傾向にあります。
徘徊は認知症の中期の症状としてみられますが、兆候として初期に迷子になります。いつも通っている床屋から帰れなくなったり、近所の商店街の八百屋までいつもの倍以上の時間がかかってしまう。老親が「最近、散歩に時間がかかっている」と思ったら注意してみてください。
家族に徘徊の症状がみられたら持ち物にGPS端末を内蔵したキーホルダーなどを付けたり、介護保険を申請し、日中はヘルパーさんにお世話を依頼するなど対応しておきましょう。また同居の場合、自宅に閉じ込めてしまうケースが多いのですが、できれば定期的に自宅から離れた観光地に一緒に旅行することも勧めています。患者さん本人のストレス緩和になり、「出掛けたい」という衝動を抑える役割もあります。
▽内野勝行(うちの・かつゆき)帝京大学医学部医学科卒業後、同大学医学部付属病院神経内科非常勤医などを経て、金町駅前脳神経内科院長。厚生労働省認定認知症サポート医、緩和ケア認定医。著書に「記憶力アップ×集中力アップ×認知症予防 1日1杯脳のおそうじスープ」がある。