「血糖トレンド」が重要…糖尿病の合併症はHbA1cを下げるだけでは回避できない

公開日: 更新日:

 “真綿で首を絞める病気”とも言われるのが糖尿病だ。今知っておくべきことは--。     

  ◇  ◇  ◇

 なぜ、真綿で首を絞める病気と言われるのか?

「糖尿病で血糖値が高くても、症状がない。しかし病気は進行し、10年くらいするとさまざまな合併症が出てくる」

 こう話すのは、東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科主任教授の西村理明医師。

 糖尿病の3大合併症として知られるのが、神経障害(足の壊疽)、網膜症(失明)、腎症(人工透析)だ。西村医師はそれぞれの頭文字を取って「しめじ(=キノコのしめじ)」と患者に説明している(網膜症だけは「目」の疾患ということで「め」)。さらには動脈硬化、動脈硬化による脳梗塞心筋梗塞認知症がんうつ病、骨粗しょう症、歯周病感染症などのリスクも増大。

 それらを起こさないために、過去2~3カ月の平均値であるHbA1cを下げることを目標に治療が行われるが、「1990年代まではHbA1cを下げれば『しめじ』が起こらないと考えられてきました。しかしこの20年でその限界がわかってきたのです」(西村医師=以下同)。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も

    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も

  2. 2
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 3
    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  4. 4
    阪神岡田監督の気になる進退 来季続投がスジだが…単純にそうはいかない複雑事情

    阪神岡田監督の気になる進退 来季続投がスジだが…単純にそうはいかない複雑事情

  5. 5
    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6
    大谷への理不尽な「ボール球」ストライク判定は差別ゆえ…米国人の根底に“猛烈な敵愾心”

    大谷への理不尽な「ボール球」ストライク判定は差別ゆえ…米国人の根底に“猛烈な敵愾心”

  2. 7
    巨人・岡本和真「急失速の真犯人」…19打席ぶり安打もトンネル脱出の気配いまだ見えず

    巨人・岡本和真「急失速の真犯人」…19打席ぶり安打もトンネル脱出の気配いまだ見えず

  3. 8
    新関脇・大の里の「大関昇進の壁」を親方衆が懸念…看過できない“練習態度”の評判

    新関脇・大の里の「大関昇進の壁」を親方衆が懸念…看過できない“練習態度”の評判

  4. 9
    高橋一生「ブラック・ジャック」高視聴率も続編困難か…永尾柚乃“完璧ピノコ”再現に年齢の壁

    高橋一生「ブラック・ジャック」高視聴率も続編困難か…永尾柚乃“完璧ピノコ”再現に年齢の壁

  5. 10
    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し