「骨粗しょう症」のクスリにはいくつもルールが決められているものも
高齢かつ女性の方の中には、「骨粗しょう症」と診断されてクスリを使っている方もいらっしゃるでしょう。そうしたクスリの中に、「起床時に服用すること」「服用前後30分は水以外摂取しないこと」「服用するときにはコップ1杯の水で服用すること」「服用後30分は横にならないこと」というルールが定められたものがあります。他のクスリだとあまり見かけないルールですが、当然、理由があります。
骨粗しょう症はさまざまな原因により骨がもろくなって、骨折のリスクが上がってしまう病気です。治療にはさまざまなクスリが用いられますが、今回お話しする「ビスフォスフォネート薬」もそのひとつです。
体の中には骨を壊す細胞と作る細胞があり、ビスフォスフォネート薬は骨を壊す細胞の働きを抑えることで骨を強くするクスリです。ビスフォスフォネート薬の特徴は、前述した服用時の決まりがあることですが、それ以外にも週に1回、あるいは4週(あるいは1カ月)に1回の服用で済む製品があることも挙げられます。
さて、そんなビスフォスフォネート薬はなぜそんなに服用時のルールが決められているのでしょうか。まず「服用前後30分は水以外摂取しないこと」については、ビスフォスフォネート薬が極めて吸収されにくいものだからです。実際に、服用したとしても吸収される成分が1%に満たないケースもあります。