吸入器は正しくしっかり吸い込めないと効果が発揮されない
気管支ぜんそくなどの呼吸器の病気の治療では、「吸入薬」を使う場合があります。たとえば、肺気腫は肺の気管支の末端にある肺胞という組織が壊れることで呼吸に支障を来すことが特徴で、高齢かつ長期間喫煙歴がある(あった)方に多く、治療には吸入薬を使うケースが多いです。
病気による肺の炎症の大部分は、気管支の太いところよりも細いところ、つまり末端で起こります。そのため、こういったクスリは成分をいかに肺の奥の方まで届かせるかが重要なポイントになります。吸入薬にはその効き方の違いによって「炎症を予防するもの」や「気管支を広げるもの」などさまざまな種類がありますが、今回は種類ではなくクスリの「形状」に関することについてお話しします。
吸入薬にはクスリの形状の違いによって「パウダー型」と「エアロゾル型」に分類されます。パウダー型はその名の通りクスリの成分が粉状になっていて、吸入する人の息を吸う力によってクスリが気管支に入っていきます。エアロゾル型はクスリの成分が液体になっていて、ガスの力でクスリが霧状になって噴出されます。缶スプレーみたいなもの、というと少しイメージしやすいでしょうか。