敗血症の人の「目」はどうなるのか? 糖尿病、がんなどリスクの高い人は要注意
■充血して痛みがあるときは眼内炎を疑う
敗血症では目の状態にも注目したいと清澤院長は言う。敗血症は内因性眼内炎という形で目にも影響を及ぼしやすいからだ。
「全身症状があって敗血症のリスクのある人が急に目が痛い、目が赤く充血したというときには敗血症による眼内炎を疑うことが必要です」
「内因性細菌性眼内炎」と呼ばれる細菌による血行性感染は放置された糖尿病や慢性腎不全、あるいは内視鏡検査や外科手術の後に起こりやすいとされる。通常は片側の目にのみ起こるが、10~20%の確率で両目同時に起こることもある。その症状の進行は急速なので、視力を維持するためには早急な治療が必要となる。
「これに対して『内因性真菌性眼内炎』では、カンジダを代表とする真菌が何らかの原因で目の中に入り込み、ややゆっくりと炎症を引き起こします。発見が遅れると、真菌が増殖し失明します。発熱などの全身症状が続き、飛蚊症や霧視などの目の症状があらわれます」
AIDSや抗がん剤の使用などで免疫がさらに低下している場合には「サイトメガロウイルス網膜症」を発症するケースがあり、これもウイルスが目に入ると考えられている。