がんと誤診されやすい「IgG4関連疾患」とはどんな病気なのか

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 一方で、膵臓がんや胆管がんの約10%は、IgG4関連疾患ではなくてもIgG4の数値が上昇する。つまり、IgG4の数値も決め手にならない。

 さらに、治療が困難なケースもある。前述のように、IgG4関連疾患の治療はステロイドの投与。大半の患者はこれでIgG4関連疾患による症状が消える。ところが、ステロイドの減量や中止で再燃する人がいるのだ。そういう患者に対しては、3年ほどステロイドを少量投与する。慎重に経過を観察し、状況に応じて、ステロイドの継続投与の有無を判断しなくてはならない。

「複数の臓器にまたがる疾患のため、それぞれの臓器の専門医が経験をもとに、組織横断的に治療に当たっていかなくてはなりません。スペシャリストをつくるには、専門の診療センターが必要と考え、立ち上げに至りました」

 IgG4関連疾患は、がんと間違われやすい。がんの疑いを告げられ、しかし次の3点に該当するなら、IgG4関連疾患の可能性も考え、IgG4関連疾患センターへの紹介状を主治医に書いてもらった方がいい。

 まず、がんと診断されたが、「腫瘍マーカーが高くない」あるいは「生検でがん細胞が出てこない」。次に、膵臓がんと診断されたが、典型的な膵臓がんの画像とはやや違う。さらに、臓器の腫瘤に加え、まぶたの腫れがある。

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