コーヒーとがんの関係…抗がん剤の効果を高めるとの研究も
Kさんはたしかにコーヒーが好きだったのですが、愛煙家でもありました。Kさんのがんはコーヒーよりも喫煙が関係したのではないかと私は思っています。
■よく飲む人は喫煙者が多いという報告
がんの原因についていろいろな疫学研究報告がありますが、コーヒーとがんとの関係は否定的と考えていいように思います。ただ、コーヒーをよく飲む人に喫煙者が多いとの報告もあるのが気になりました。むしろ、喫煙や受動喫煙(喫煙者ではなく周りの方への影響)が、いろいろながんのリスクとなっているのはたしかです。
「コーヒーを夜に飲むと眠れなくなる」といわれる方が、私の周りにもたくさんおられます。カフェインの取り過ぎは、中枢神経系の刺激によるめまい、心拍数の増加、興奮などの健康被害をもたらすことがあり、注意喚起されています。
ずいぶん前のことですが、カフェインが抗がん剤の効果を増強させるのではないか、マウスを用いてがんに対するその効果についての実験を行ったことがありました。結果は、そのような傾向はみられたのですが、臨床的研究までは進めませんでした。