心を蝕む「ガスライティング」…40年代のアメリカ映画から生まれた
「ガスライティング」という言葉をご存じですか?
1944年のアメリカ映画「ガス燈」は、主人公が夫から心を操られ、自分の感情や現実の認識が信じられなくなるまで追い詰められて行くストーリーでした、これが元になって生まれたのが「ガスライティング」です。
DVが問題になっている昨今、肉体的な暴力ではなく、言葉や態度によって傷つけられるケースも少なくありません。そういう時にしばしば使われるのも「ガスライティング」。ここで注意しなければならないのは、「ガスライティング」で使われるのは、日常でよく聞かれる何気ない言い方だということです。
例えば「君はクレイジーだよ」。
映画「ガス燈」で使われたように、相手の合理性を疑うかのような言い方は、ガスライティングの定石です。
また「君は過剰反応している」「ただの冗談じゃないか」と相手の反応や感情を軽くあしらう言い方もガスライティングです。さらに「あなたが私にそうさせたのだ」と責任をなすりつけたり、「君を愛しているから言っているんだ」と愛情を盾にしてくる場合もあります。