清水俊彦
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清水俊彦東京女子医大脳神経外科客員教授

東京女子医大脳神経外科客員教授。「汐留シティセンターセントラルクリニック」の頭痛外来には全国から患者が訪れる。

ふわっとしためまいに襲われたら「てんかん性片頭痛」の恐れあり

公開日: 更新日:

 片頭痛は脳が異常な興奮状態に陥ることで起きる病気。じつはこの「脳の異常な興奮状態」が要因になる病気は、片頭痛だけではありません。「てんかん」もそうなのです。

 てんかんの原因は、大脳の一部の局所(焦点)から瞬間的に起きる異常な放電です。この放電を受けると、周囲の脳細胞が大きなダメージを受けることを防ぐために意識を消失させる。つまり、大脳がこれから起きる危険を察知し、瞬時に脳内をシャットダウンさせるんです。ちょうど落雷時に家のブレーカーが瞬時に落ちて停電してしまうのと同じです。

 てんかんと片頭痛は、もちろんまったく別の神経疾患です。しかし「一過性・発作性の脳の病気」という点は共通しています。どちらも脳の異常な興奮状態で起きてしまうのですが、これがてんかんの原因としては知られていても、片頭痛の原因も同じであることはまだまだ世の中には広く知られていないと思っています。

「そうはいっても、片頭痛で意識を失うことはないでしょう?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。でも、そうではないのです。慢性的な頭痛に悩まされながらも、専門医にかかったり脳波の検査を受けたりせず、市販の鎮痛剤を飲んでその場だけをやり過ごす。この繰り返しが長期間続くと、脳の異常な興奮状態がだんだんと大脳全般に及んでいってしまいます。

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