清水俊彦
著者のコラム一覧
清水俊彦東京女子医大脳神経外科客員教授

東京女子医大脳神経外科客員教授。「汐留シティセンターセントラルクリニック」の頭痛外来には全国から患者が訪れる。

片頭痛がひどい…50代女性を調べたら大腸がんが見つかった

公開日: 更新日:

 約840万人といわれる片頭痛患者の男女比はどのぐらいかをご存じですか。答えは1:4。圧倒的に女性が多いんですね。これは片頭痛と女性ホルモンが切っても切れない関係にあるからなのです。

 片頭痛は、脳内神経伝達物質「セロトニン」の急激な増減により脳血管が拡張、脳が異常な過敏状態になることで引き起こされる病気です。セロトニンは「幸せホルモン」という呼ばれ方で、最近はネット上でもよく目にするようになりましたね。怒りや不安などの感情を抑制し、精神の安定や安心に影響するため、そんな呼ばれ方をするようになったのでしょう。

 実はこのセロトニン、女性ホルモンであるエストロゲンと構造が非常によく似ている。そのため、女性ホルモンが大きく乱れる生理の前後にはセロトニンも同じように大きく乱れるんです。排卵日あたりも同じ。それが原因で、女性は生理前後や排卵日あたりに片頭痛が起きやすくなるのです。

 また、同じく女性に圧倒的に多い「貧血」。貧血も、片頭痛を誘発する原因となる。貧血によって血液中の酸素濃度が低下すると、脳血管が異常に拡張。そうなると脳血管の周囲にある「痛み」のセンサー、三叉神経が刺激され、片頭痛が起きやすくなります。生理中は失血のため貧血に陥りやすい。これも片頭痛を助長する一因となっていると言えます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も

    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も

  2. 2
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 3
    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  4. 4
    阪神岡田監督の気になる進退 来季続投がスジだが…単純にそうはいかない複雑事情

    阪神岡田監督の気になる進退 来季続投がスジだが…単純にそうはいかない複雑事情

  5. 5
    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6
    大谷への理不尽な「ボール球」ストライク判定は差別ゆえ…米国人の根底に“猛烈な敵愾心”

    大谷への理不尽な「ボール球」ストライク判定は差別ゆえ…米国人の根底に“猛烈な敵愾心”

  2. 7
    巨人・岡本和真「急失速の真犯人」…19打席ぶり安打もトンネル脱出の気配いまだ見えず

    巨人・岡本和真「急失速の真犯人」…19打席ぶり安打もトンネル脱出の気配いまだ見えず

  3. 8
    新関脇・大の里の「大関昇進の壁」を親方衆が懸念…看過できない“練習態度”の評判

    新関脇・大の里の「大関昇進の壁」を親方衆が懸念…看過できない“練習態度”の評判

  4. 9
    高橋一生「ブラック・ジャック」高視聴率も続編困難か…永尾柚乃“完璧ピノコ”再現に年齢の壁

    高橋一生「ブラック・ジャック」高視聴率も続編困難か…永尾柚乃“完璧ピノコ”再現に年齢の壁

  5. 10
    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し