舌のピリピリがずっと続く…「舌痛症」は治療で改善できる
「まだ原因ははっきりとは分かっていませんが、おそらく口の感覚をつかさどる神経の働きが何らかのきっかけによって乱れ、痛くなる要素がないのに痛みが生じるといった“痛みの信号の誤作動”のようなことが起こると考えられます。きっかけとして多いのが歯科治療です。治療自体に問題はなくても口腔内の刺激や環境の変化が神経の働きを乱す契機になるのです。こうした痛みの神経の働きの乱れには、心身の疲労、睡眠不足、体調の変化なども影響します」
また、神経の働きの不具合から、わずかな刺激でも10倍、20倍も大きく感じてしまう感覚の過敏を引き起こすこともある。例えば、辛い物や熱い物など刺激物が苦手になるなどである。触覚の過敏も現れるため、歯が舌にこすれるような感覚から歯の角が当たっていると訴えて歯科で歯を丸く削ってくる患者もいるそうだ。
「舌痛症は口腔内にはっきりした異常がみられないことから『気のせい』などと診断され、治療を受けられず我慢している方が多いです。自然治癒する確率は少なく、放置すると痛みから仕事や家事に集中できなくなるなど日常生活に大きな影響を与える可能性もあるので、適切な治療が必要です」