親が年を取って小さくなっていたら「椎体骨折」を疑う…寝たきりのリスク
“閉経後の3年間”というと40~50代も含む。骨粗しょう症による椎体骨折は老親の問題だけではない。自分の問題でもあるのだ。
「骨粗しょう症性椎体骨折の有病率を調べた調査では日本人の男女40歳以上の21.8%、つまり5人に1人は椎体骨折を有するという結果です」
椎体骨折は簡単に言うと、背骨の前側が骨折して背骨が丸まったもの(囲み参照)。だから身長が低下する。これを脊柱後弯変形という。
「脊柱後弯変形になると、胃食道逆流症などの内臓障害、頑固な腰背部痛、身体機能の低下に加え、重心が前方に移動するので立った時のバランスが悪化し、転倒しやすくなります」
転倒リスクの上昇は骨折のしやすさにつながる。高齢者においては、寝たきり、認知症、生命予後の短縮につながりかねない。
「高齢女性を対象とした米国の前向きコホート研究では、死亡率は脊柱後弯変形の増強と関係があり、年齢、骨密度、骨折数などを調整しても、脊柱後弯変形が増強した女性では早期死亡リスクが高かったのです」