「治った~」という掛け声とともに患者たちとの体操が始まった
開業後は、帯津三敬病院の玄関のわきに道場を造り、太極拳を続けておられました。奥さまも一緒に訓練され、たしか体操教室のテレビ番組にも出演しておられたと思います。しかしある時、奥さまが急逝されました。当時の新聞では、帯津良一先生のコメントが「あの世で、また会えるから、悲しくありません」と答えていたと思います。さすが帯津先生だと思いました。私が所持しているモンゴルの大草原に立つ先生の写真を見ると、先生の心の広さを思わされます。
帯津先生が最近書かれている記事では、「ホリスティック医学では、自然治癒力を癒しの原点におき、患者自らが癒し、治療者は援助すると考えます。巷では、何かによって(癒される)ものと受け身の捉え方をしがちのようですが、癒しとは、自然治癒力を原点に、(自らを癒す)ものであることを忘れないでください」とありました。
2019年に「心身養生のコツ」を出版された神田橋條治先生は、「ボクのライフワークである養生の世界が完成しました。これで終着点かと思います」と付箋に書いて送ってくれました。本の項目には、たとえば「症状の中に自然治癒力の働きを見つける」「こころの養生法」などがあります。神田橋先生は精神科医で、心理学領域において日本でたくさんのファンがおられます。まだ、お会いしたことはありませんが、ここ数年、新しい本を上梓されると送っていただきました。