歴史的な円安、相次ぐ値上げ…生活苦は「歯」の健康へどう影響するのか?

公開日: 更新日:

 また、世帯支出を基準に4群に分けたところ下位25%群は上位25%群に比べて歯の残存数が少ないリスクが1.91倍に上ったという。

「高齢者が歯のケアを怠ると硬いものが食べられず、軟らかいモノばかりを口にするため嚥下機能が衰え、誤嚥肺炎になるなど、寝たきりや認知症リスクが高まることが知られています。また、虫歯菌を放っておくと、血液を通じて全身をめぐり、さまざまな悪さをする。とくに虫歯菌などは心臓の弁にたまりやすいことがわかっていて、心臓病になりやすいことが報告されています」

 興味深いのは、歯の残存数が少なくなるリスクは教育年数にも関係していて、教育年数9年以下群は、教育年数13年以上群の1.84倍に上ると報告されていることだ。

 当然だが、世帯支出の多さや長期の教育年数は経済的豊かさの裏返しである。

「近年、歯科関係者の間で問題になっているのは、子供たちの歯並びの悪さです。理由は軟らかいモノを噛まずに食べているため顎が発達せず、親知らずを除く28本の歯が顎におさまらなくなりつつあるのです。先天的に前歯の側切歯がない子供なども増えつつある。これも安易に炭水化物ばかりで空腹を満たす、経済的理由が遠因のひとつにあるのかもしれません」

 健康でいられるか否かは意識して生活するかにかかっている。健康のために歩いたり健康食品を口にする前に、まずは口の健康を守る努力をすることだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動