肺がん治療の今(3)分子標的薬と免疫チェックポイント阻害剤で攻撃

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 肺がんといっても、性質はそれぞれだ。その性質に合ったオーダーメードの治療ができれば、治療成績も向上する。難治性のがん、肺がんの治療成績が良くなっているのは、がん細胞の発生・増殖に関わる遺伝子変異を調べることができ、かつ、その遺伝子変異に応じた分子標的薬が開発されたことで、変異が生じている遺伝子に直接アプローチできるようになったからだ。

 さらに治療成績向上に大きな役割を果たしているのが、免疫チェックポイント阻害剤だ。岐阜県にある中部国際医療センター肺がん治療センター長の樋田豊明医師(呼吸器内科部長)が言う。

「本来はがん細胞を攻撃するT細胞にブレーキがかかり、がん細胞を認識できず攻撃しなくなっている。これを免疫チェックポイントというのですが、そのブレーキを外しT細胞ががん細胞を再び攻撃できるようにするのが、免疫チェックポイント阻害剤です」

 免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントが起こっている場合に効果を発揮する。そのため、肺がんと診断されると遺伝子変異の検査と併せて(前回参考)、T細胞にブレーキがかかっているか、免疫チェックポイントの有無を調べる検査が行われる。免疫チェックポイントがあれば、T細胞のブレーキを外す免疫チェックポイント阻害剤が使われるのだ。

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