子供の10人に1人が該当…「先天性欠如歯」に要注意! 顎関節症、頭痛、うつ病の原因にも
■体だけでなく心にも影響
「先天性欠損が問題になるのは、部位や数によっては歯並びや噛み合わせを悪くして、健康に大きな悪影響を与えるからです。永久歯の先天性欠損だと、本来生えるべき場所に乳歯が残ることになります。しかし、乳歯は永久歯に比べて歯の根が短く、エナメル質や象牙質が貧弱なため、虫歯になったり、抜けたりして隣の歯が倒れたり、対面の歯が伸びたりして歯列が乱れ、噛み合わせを悪くします。すると、①歯の間に食べかすがたまりやすく磨き残しが多い②よく噛めないので唾液量が少なく虫歯や歯周病になりやすい③噛まずにのみ込むことが多いので胃や腸に負担がかかり胃炎や大腸炎などの胃腸系の疾患になりやすい④顎のずれや変形により大きく口を開けられず顎関節症になりやすい⑤咀嚼筋のバランスの悪さから頭痛や肩こり、眼精疲労などを引き起こしやすい⑥口呼吸になりやすいので鼻炎や扁桃炎などになりやすい──といったことが指摘されています」
歯並びや噛み合わせの悪さは、心にも影響する。そもそも食べたとき幸福な気持ちになる原因のひとつは、正しい噛み合わせでしっかり噛むと幸福ホルモンと呼ばれるセロトニンが分泌されるから。噛むことで脳への血流も増えて頭の働きが良くなるといわれている。逆に、しっかり噛めないと集中力に欠けてイライラして情緒不安定になりやすい。