ハイパーサーミア専門家の話は市民公開講座で聞く手もある
ハイパーサーミア療法には他にどのようなメリットがあるのか? 「筑波胃腸病院」の永井健太郎副院長が言う。
「一番のメリットは手軽で、対象となるがん種が多いことです。この治療は治療器に40~50分横たわるだけでよく、入院の必要がありません。目や脳、血液を除くすべてのがんが対象で一定の条件下では公的保険の適用となるため費用も安く済み、長く治療が受けられます。このときのスタッフとの会話が孤独になりがちながん患者さんの気持ちを穏やかにする効果もあります」
患者の免疫能を活性化させ、抗腫瘍効果を高める可能性があることもメリットのひとつだという。
「この治療法を使うことで腫瘍内の免疫細胞を直接的に活性化させたり、免疫細胞とがん細胞とのコンタクトを亢進させたりすることで、NK細胞、細胞傷害性T細胞などがん細胞を攻撃する力が強くなり、がん治療の効果を補完することが期待されます」
どんなに良い治療法でも副作用は必ずある。ハイパーサーミア療法はどうか?
「患者さんによっては、加温されることで時折皮下脂肪に硬結が生じて痛みを感じることがありますが、多くは1~2週間で消失し、後遺症も残りません」