機能や能力が低下したときは何を「評価」すればいいのか?
②運動面は、まず「麻痺があるかどうか」の評価が必要です。麻痺の程度は「ブルンストロームステージ(BRS)」という指標で評価します。上肢、手指、下肢を6段階で評価し、軽症はⅥとV、中等症はⅣとⅢ、重症はⅡとⅠになり、麻痺が軽快するほど能力が向上します。
運動面では筋力が重要です。その評価には握力が簡単で、15キロ以下では転倒が増えます。女性では25キロ以上、男性なら40キロ以上が望まれます。同じく体のバランスは「バーグバランススケール(BBS)」で評価します。56点満点で40点未満では転倒が増えます。
歩行スピードの評価も大切で、「10メートル歩行テスト(10mG)」を行います。10メートルを10秒以内で歩けると、横断歩道が長くても青信号で歩いて渡り切ることができます。体力は「6分間歩行テスト(6MD)」で評価します。6分間で400メートル以上歩けるなら、正常な体力があると判断できます。
関節可動域は、肩、肘、手、股、膝、足関節の可動域に制限があるかどうかについて角度を見て評価します。また、筋肉の緊張が高まる「痙性亢進」の状態ではすべての運動や活動が難しくなるため、「モディファイドアシュワーススケール(MAS)」で評価します。0~4点の6段階(1+あり)で、0が正常、緊張が重度になると4点です。痙性亢進を予防して治療するのがリハビリ療法士の腕になります。