メンタルヘルス疾患と心臓病は密接に関係している
薬のコントロールに細心の注意が必要
このように、メンタルヘルス疾患と心血管疾患は深く関係しているため、うつ病などを抱えた患者さんの心臓手術を行うケースはもちろんあります。その場合、手術の前後に使う薬のコントロールに対して細心の注意を求められます。
安易に薬を中断するわけにはいきませんから、手術前に、服用している薬を確認し、注射薬(点滴薬)に変更できるものはすべて切り替えます。飲み薬は口から飲んで消化管で吸収されるため、状況によって血中濃度が不安定になりますが、点滴で血液中に直接、薬剤を注射すると、薬の成分の血中濃度を管理しやすくなるのです。
また、長時間にわたって効果が持続する薬ならば、短時間のタイプに変更してコントロールしやすくします。大きな問題が起こらないように管理されている状況を、できるだけそのまま継続させたうえで手術に臨むことが大切です。そうした管理をおろそかにするか、しないかで、その後の回復を含めた手術のクオリティーが大きく変わってしまいます。
もしも、メンタルヘルス疾患を抱えながら心臓手術が必要になった場合は、手術の前後にきめ細かい管理をしてもらえるメンタルヘルスの専門医が常駐する医療機関を選ぶことが重要です。
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