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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

明るい寝室では糖尿病発症リスクが53%増加する? 英医療データを解析

公開日: 更新日:

 お日さまが出ている時間は起きていて、お日さまが沈んだら眠りにつく、というのは、人間に生来備わった日内リズムです。そのため、夜になるとメラトニンというホルモンが出て眠りを誘いますし、朝はステロイドホルモンが上昇して目が覚めるのです。しかし、現代人の生活は、このリズムを乱すようなものが多いのが実際です。

 夜でも煌々(こうこう)と街には明かりがついていますし、仕事で昼夜逆転したような生活を余儀なくされている人も少なくありません。しかし、たとえば夜、明かりをつけたまま寝るだけでも、翌日の代謝状態には糖尿病に結び付くような異常が認められた、という報告もあります。

 それでは、長期間夜中も光を浴びるような生活をしていると、どのような危険があるのでしょうか?

 今年のランセット系の医学誌に、携帯用のセンサーで、夜どのくらいの光を浴びているのかを計測したデータをもとにした研究結果が発表されています。これはイギリスの、UKバイオバンクという大規模な医療データを解析したものですが、深夜に暗い場所で寝ている場合と比較して、街灯くらいの明るさの光を浴びているだけで、その後の2型糖尿病になるリスクが53%も増加した、という結果が確認されました。

 夜はなるべく暗い部屋で眠ることが、糖尿病の予防にもなるようです。

【連載】医者も知らない医学の新常識

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