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酒向正春ねりま健育会病院院長

愛媛大学医学部卒。日本リハビリテーション医学会・脳神経外科学会・脳卒中学会・認知症学会専門医。1987年に脳卒中治療を専門とする脳神経外科医になる。97~2000年に北欧で脳卒中病態生理学を研究。初台リハビリテーション病院脳卒中診療科長を務めた04年に脳科学リハビリ医へ転向。12年に副院長・回復期リハビリセンター長として世田谷記念病院を新設。NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」(第200回)で特集され、「攻めのリハビリ」が注目される。17年から大泉学園複合施設責任者・ねりま健育会病院院長を務める。著書に「患者の心がけ」(光文社新書)などがある。

介護状態を防ぐ「酒向メソッド」の高齢者トレーニングとは?

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 高強度トレでは、90歳の男女10人が高強度(80%1RMを8回が1セット)で週3日、8週間行った結果、筋肉の断面積が111%に肥大して、1RMが174%に増加しました。90歳代でも筋肉は増えて、筋力も増大するのです。

 また、40~50%1RMを8回行う中強度トレでも筋肥大が得られました。さらに、20~30%1RMの低強度トレは体力のない虚弱高齢者に実践しやすく、10~15回を繰り返すことで筋力が増強できました。このため、筋力のない高齢者の筋力増強には、先に挙げた9種類の抗重力筋に対する中強度か低強度の運動メニューを8~10種類作成し、1セット8~15回を週2~3回、8週のプログラムで導入します。筋力を維持する目的では、週1回の継続でよいでしょう。

 その際、大切になるのは有酸素運動です。有酸素運動は5分以上を継続することが基本で、一般的には、歩行、速足、ジョギング、トレッドミル、バイク、エルゴメーター、プレステップなどを行います。

 われわれは、筋力とバランス、関節可動域を鍛える総合プログラムを40~50分間継続して行うことが重要と考えており、これが体力を増強する良好な有酸素運動トレーニングになります。この総合プログラムを実践できるセラピストやインストラクターを育成していて、全国に高齢者健康筋トレ環境を届けたいと考えています。ただし、90歳以上まで非介護を継続するために、選択するパーソナルジム週1回の料金は月1万2000円程度であることが大切と思います。

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