ダニ媒介性脳炎は致死率が20%以上…アウトドア好きは知っておきたい
山登り、キャンプ、山菜採り、ハイキング、釣り、ゴルフ……。野外活動が多い人が知っておきたいワクチンが、ダニ媒介性脳炎ワクチンだ。
野山、草むら、やぶ、あぜ道、河川敷、畑、庭など、ごく身近な場所に存在するのが、ダニの一種のマダニだ。動物や人に噛みつき吸血する。
危険なのは、病原体を持つマダニに吸血されて人が感染すること。近年、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)、ライム病、日本紅斑熱が増加。いずれも予防のワクチンはまだなく、マダニに噛まれないようにすることが一番の対策となる。一方、ダニ媒介性脳炎は1970年代からワクチンが欧州を中心に利用されており、3月には日本で初めて承認。9月から国内ワクチンが臨床現場で使われている。
「ダニ媒介性脳炎は70~98%は不顕性感染(感染しても発症していない)ですが、ダニ媒介性脳炎ウイルスの遺伝子型のうち、日本で見られる極東亜型はほかの型と比較して致死率が高く20%以上。後遺症も30~40%と高い。典型例としてマダニに噛まれた7~14日後に発熱、頭痛、筋肉痛、悪心、嘔吐などが現れ、髄膜脳炎に進展する」