梅毒の新規感染報告件数…神奈川は4年前の3倍超、10年前の7倍に達する恐れ
なお、感染研の新規35件・年累計3132件と異なるのは、東京都の数字が保健所が報告を受理した件数に対して感染研の数字は医療機関が梅毒と診断した件数だから。 ちなみに東京都集計の第44週の梅毒の新規届出70件の内訳は、男性46件、女性24件。年代は10代2件、20代27件、30代18件、40代14件、50代7件、60代2件だった。推定感染経路は67件が性的感染(同性間10件、異性間50件、両性間7件、性別不明3件)、不明3件だった。
「気になるのは東京都に隣接する神奈川の感染動向です。前年同期比で108件も上回っているうえ、第43週時点で今年1月10日に公表された昨年の年累計件数の659件(暫定値)を越える660件が報告され、第44週では672件となっています。これは2020年の累計件数222件の3倍超です。このままいくと年内に700件を越え、10年前の7倍に達する可能性があります」
また、性行動の変化も気になると尾上医師は言う。
「東京都の情報で推定感染経路の中に、同性間や異性間以外に『両性間』が定着していることが気になります。これは性の多様化で感染リスクがより高くなっているのかもしれません。そのなかには集団的な性行為による感染が含まれているのかもしれません。注意が必要です」
なお、第44週で日本国内でエムポックス症の新たな感染者は報告されていない。