カテーテル治療かバイパス手術か…慎重な選択が命を守る
実際、カテーテル治療が広まったことで、多い頃は年間2万例ほどだったバイパス手術の件数は、最近は年間1万2000例くらいまで減っています。しかも、そのうちカテーテル治療後の再狭窄の患者さんが7割程度を占めている印象です。
かねて、カテーテル治療によるステント留置後に行うバイパス手術は、ステントを留置していない患者さんのバイパス手術と比べると、手術死亡率が高くなるというデータも出ています。患者さんにしてみれば、まずは負担の少ないカテーテル治療で……という気持ちになることは理解できます。しかし、後々を考えると最初からバイパス手術を受けたほうが良いケースは少なくありません。
虚血性心疾患の治療が必要になったときは、医師に言われるがままカテーテル治療を選択するのではなく、バイパス手術の適応があれば検討に加え、最適な治療はどちらなのかを慎重に判断するべきです。すでにカテーテル治療を受けていて再狭窄があった場合も、安易に再びカテーテル治療を受けることは避け、疑問や不安があれば心臓血管外科のセカンドオピニオンを受けて意見を聞いてみる手もあります。