「ふるえ」は治らないから…と諦めない! 薬でダメなら超音波治療
手のふるえが多く、頭もふるえる人が3割ほど。声、下肢、体の軸のふるえはまれだ。加齢とともに症状が進むが、一般的に進行スピードは緩やか。ただし、ストレスや緊張があると一時的にひどくなる。
治療はまず薬。β遮断薬、抗てんかん薬、抗不安薬を必要に応じて使い分ける。薬では効果が乏しい、副作用がつらい、日常・社会生活の維持が困難という場合、外科治療を検討する。
■骨の状態によっては改善率80~90%
保険適用の外科治療では、RF(高周波脳凝固術)とDBS(脳深部刺激療法)が20年以上行われており、そこに2019年、FUS(集束超音波治療)が加わった。本態性振戦は小脳と大脳を結ぶネットワークの異常が一因と考えられていて、外科治療は中継地点である視床にアプローチをする。
RFは局所麻酔で頭蓋骨に小さな穴を開け、脳の深部に高周波をあて熱凝固する。DBSは脳に電極を、前胸部の皮膚下に刺激装置をそれぞれ埋め込み、リードでつなげて脳の特定部位を電気刺激する。一方、FUSはMRI画像を用いて脳深部に超音波を集中照射し熱凝固させる。