「AI心臓エコー検査」は医療者も患者も負担が少なくなる
そうした機器の進歩をベースに、AIによる解析が加わることで、医療者にも患者さんにも負担が少ないうえ、より正確な検査が可能になってきているのです。
AIを活用するためには、AI側に検査データを送らなければなりません。ただ、検査は人間が行うため、測定データにはどうしても誤差が生じます。これではAIをフル活用することが難しくなってしまいます。その点、近年は人による測定の誤差が少ない検査機器がどんどん開発されているため、AIを有効に使える下地が整っています。また、誰が測定してもあまりズレがなく、誤差が出にくいデータの算出法がいくつかあり、それらの項目をたくさん集積するようになったこともAIが活用できるようになった一因といえるでしょう。
そうやって得られた検査データはAIによって解析が行われ、それらに血液検査などのデータをプラスして総合的に判断されます。患者さんの状況に応じて、「まだ病気があるゾーンには入っていないから放置しておいていい」「病気があるゾーンには入っているけれども経過観察でいい」「病気のゾーンに入っていて治療しなければいけない」といったようにスクリーニングできるのです。さらに最終的には、疾患によってフォーカスするところを最初から定め、治療開始の適正な時期、治療後のフォローの仕方、投薬の方法などを結びつけることも可能になってきています。