血液がんの「CAR-T療法」保険適用から5年…その実力は?
流れはざっとこうだ。がん治療の過程でCAR-T療法が適しているのではないかと判断されると、CAR-T療法を実施している病院へ紹介され転院。検査の結果、CAR-T療法が適しているとなった場合、専門施設で患者の血液中から採取したT細胞に対し、特定の抗原を認識できるよう遺伝子操作をする。そうやってできたCAR-T細胞(元T細胞)が必要量まで増えたら、患者が入院する医療機関へ輸送、患者に投与される。
CAR-T療法を受けられる条件として、まず血液がんであること。胃がん、大腸がん、肺がんのような臓器や組織に腫瘍ができる固形がんは現時点では対象外。
次に血液がんならすべてが対象となるわけではなく、Bリンパ球(白血球の一種)ががん化した血液がんに限られる。例えば多発性骨髄腫、悪性B細胞リンパ腫、急性Bリンパ性白血病だ。悪性リンパ腫でも、Bリンパ球が関係していなければ対象外となる。
さらにCAR-T療法は現在4種類あり(注参照)、それぞれ対象とする病気や狙う抗原、適応条件などがやや異なる。