梅毒から身を守るにはどうすればいいのか…新規感染者が15年間で23倍に急増
昨年の新規感染者報告数の速報値が1万4663件と現在の方法で統計を取り始めた1999年以降、過去2番目のワースト記録となった「梅毒」。身を守る方法について性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」新宿院の尾上泰彦院長に聞いた。
梅毒の感染拡大が凄まじい。2010年に621件だった新規感染者報告数は15年間で23.6倍に拡大、とくに女性は2022年のデータで43.2倍となっている。
「女性感染者の多くは20代。妊娠年齢と合致することから母子感染による先天梅毒も増えています。2014年を境に年間報告数は5件前後から10件前後に増え、しばらくは20件前後で推移していましたが、2023年は37件となっています。梅毒感染した妊婦の70%は無症状で、治療しないまま出産すると40%が死産または新生児期に亡くなります」
亡くならなかったとしても、先天梅毒の子供は髄膜炎、水頭症、脈絡膜炎、知的障害、四肢の麻痺などのほか、骨膜病変、進行性の感音性難聴などを起こす可能性がある。