平均寿命との差が縮小…健康寿命の延びと経済効果の気になる関係
厚生労働省の研究班が3年ごとに調査する「健康寿命」が昨年12月24日公表された(2022年推定値)。男性は72.57歳、女性は75.45歳、男性は19年の前回調査(72.68歳)から0.11歳短く、16年の前々回調査から0.43歳延びた。女性は前回調査より0.07歳延びた。
健康寿命は「日常生活に制限がない期間」を指す。一方、生まれてから死ぬまでの期間を指す平均寿命も、男性81.05歳(22年)、81.41歳(19年)、80.98歳(16年)と延びている。この平均寿命と健康寿命の関係で注目されるのが両者の差だ。
16年の平均寿命と健康寿命の差は、8.84年、19年は8.73年、そして22年には8.48年まで縮小し、健康寿命の延びが平均寿命の延びを上回っていることが示されている。人口減少対策総合研究所の理事長で、内閣官房をはじめとする政府の有識者会議のメンバー、河合雅司氏がこう述べる。
「健康寿命が延びることは、健康で働き得る高齢者が増えることにつながる。政府は人口減少、人手不足を補うため高齢者になるべく長く働いてもらいたい。そのため健康寿命の延伸を大前提に国民の健康づくり運動を積極的に進めています」