大きな地震相次ぐ石川能登で浮上していた「珠洲原発」…2003年12月に計画凍結

公開日: 更新日:

 1976年5月の衆院科学技術振興対策特別委では、珠洲原発に関する立地調査をめぐる質疑で、委員が政府に対してこう迫る場面も出てくる。

「地図で明らかなことは、いま調査している高屋町というのは海岸の断層のど真ん中です。真上だと予測されます。それから半キロもせぬところに幾重にも断層のある地域です。現にこの地域は地すべりで大変問題になっているところです」

 つまり、ボーリング調査している原発建設予定地の地下には複数の断層があり、建設にふさわしくないのではないか──と主張していたわけだ。これに対し、当時の資源エネルギー庁原子力発電課長はノラリクラリ。まるで今の原発再稼働の是非をめぐる国会質疑のやり取りのよう。いずれにしても、結局、珠洲原発が建設されることはなかった。

 もし、政府や電力会社が住民らの反対を押し切って珠洲原発を建設し、フル稼働させていた時に大地震が直撃していたら……そう考えるとゾッとしてしまう。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  2. 2

    小泉進次郎氏「コメ大臣」就任で露呈…妻・滝川クリステルの致命的な“同性ウケ”の悪さ

  3. 3

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  4. 4

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  5. 5

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  1. 6

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  2. 7

    関西の無名大学が快進撃! 10年で「定員390人→1400人超」と規模拡大のワケ

  3. 8

    相撲は横綱だけにあらず…次期大関はアラサー三役陣「霧・栄・若」か、若手有望株「青・桜」か?

  4. 9

    「進次郎構文」コメ担当大臣就任で早くも炸裂…農水省職員「君は改革派? 保守派?」と聞かれ困惑

  5. 10

    “虫の王国”夢洲の生態系を大阪万博が破壊した…蚊に似たユスリカ大量発生の理由