昭和31年創業の老舗もつ焼き屋を3代目が継ぐまでの紆余曲折
「もつ焼きとん兵衛」へ
腹ができたので、山王方面から馬込文士村を散策し、その後キネカ大森で映画観賞。見終わって外に出れば夕闇迫るトワイライトタイム。喉が渇いたアタシは「もつ焼きとん兵衛」へ。昭和31年創業の老舗。60年以上変わらぬたたずまい。が、コロナ禍では他店同様、長く店を開けることがなかった。その間、2代目の主、半年後には切り盛りしていたおかみさんも後を追うように亡くなった。両親を手伝っていた現主人は途方に暮れたという。店を閉めることも考えたが、一念発起。若いアルバイトを雇って再開を決意した。
ようやく当時の客も戻り新しい若い客も増え始めた。「やっとタレの味が親父と同じになってきました」とほほ笑むのは3代目の柏木孝之さん。
「でも、ヌカ漬けだけはおふくろの味が出せないんですよ」
カシラとシロを塩焼きで2本ずつ(各180円)注文。うまいシロは塩焼きに限る。氷なしのホッピー(480円)も。
素焼きしたカシラをたっぷりのおろし生姜と醤油で食べさせる名物もあるが、痛風の発作を恐れてやめておいた。涙。