那覇地裁が異例の謝罪 裁判はなぜ時間がかかりすぎるのか
今月、那覇地裁で、被告人の男性が不正アクセスにより多額の金銭をだまし取ったとして懲役4年6月の実刑判決を受けました。この事件の判決言い渡しで、裁判官が被告人に謝罪するという珍しい出来事がありました。起訴から判決言い渡しまで、約2年もの月日を要してしまったことから、裁判官は「2年というのは長すぎた」「私の力量不足で、この場でおわびしたい」と述べ、被告人に謝罪したようです。
この報道を見た僕の感想は、「こんな事件いくらでもあるよな」というものでした。
確かに2年という期間は長いですが、被告人が無罪を主張している事件や裁判員裁判対象事件では、裁判が長期化することは珍しくありません。日弁連によれば2022年の裁判員裁判対象事件の平均審理期間は13.8カ月、その中でも否認事件の平均審理期間は16.5カ月のようですし、私が担当した裁判員裁判は最初の逮捕から第1審の判決まで3年半かかったケースもあります。
公判が長期化する理由としてよく挙げられるのは、検察官による追起訴や証拠開示等の手続きに時間がかかるということです。例えば詐欺事件では、同じ犯罪組織が同じ態様で詐欺をしているのに、被害者ごとに再逮捕を繰り返します。しかも、一件が起訴された後、すぐに次の件で再逮捕せずに、数週間経過してから再逮捕することもあります。