マイナ保険証に尽きない国民の不安…自民裏金疑惑のドサクサに紛れ健康保険証「廃止」強行
「政治は言葉でつくられる」と言われるが、岸田首相が発する言葉のいかにいい加減なことか。
政府は12日、マイナンバー情報総点検本部の会合を開催。マイナンバーのひも付け誤りなどのトラブルに関する点検結果を受け、岸田氏は来秋に予定している健康保険証の廃止に関して「予定通り実施」を表明した。これまで散々、「(廃止は)国民の不安払拭が大前提」と繰り返してきたにもかかわらず、である。
岸田氏は今国会で「ひも付けの総点検と修正作業を見定め、さらなる期間が必要と判断された場合には必要な対応を行う」などと、廃止時期の見直しに思わせぶりな態度を示してきた。点検結果の公表は12月上旬の方針だったが、まさかの国会閉会の前日。国会審議ができないタイミングを狙いすまし、裏金疑惑のドサクサに紛れて公表するとは何とも悪辣だ。
総点検の結果、ひも付け誤りは解消されつつあるが、決してトラブルが消え去ったわけではない。マイナ保険証に医療現場は振り回されている。
健康保険証廃止の撤回を求めている「全国保険医団体連合会」(保団連)は12日に緊急会見を開き、マイナ保険証のトラブルに関するアンケート調査(11月24日~12月1日実施)の結果を報告。保険証が廃止された場合の受付業務について、回答があった1000件の医療機関のうち59%が「今も混乱しており、廃止後は受付業務に忙殺されると思う」と回答。「診察の待ち時間が長くなると思う」が44%だった。ジャーナリストの横田一氏がこう言う。