昭和42年創業の清澄白河「実用洋食 七福」で店名の由来を聞いて納得した
「最近の男はあまり食わなくなったな」
ずらりと並んだメニューの横に色紙がズラリ。知らない名前が多いのはご愛嬌。ところで、この日の気温は36度。迷わずサッポロ黒ラベル大瓶(650円)だ。メニューを見上げると豚カツからラーメンまで幅広い。アタシはサービスランチに半ライス(950円=写真上)。半ライスは50円引き。良心的。さあ、このサービスランチが半端じゃない。大人のお子さまランチだ! いちいち書いていると文字数が減るので写真を見てください。これをつまみにビールをグビリ。震えるほどうまい。ご飯はテーブル備え付けのふりかけとお通しの漬物でやっつける。と、そこに地元の大先輩がふらりと入ってきて、アタシの隣のテーブルにドッカと座った。
若女将が何も聞かずに黒ラベル大瓶をテーブルに置く。無言でまず一杯飲み干すと、「カレーライス大盛りと目玉焼き2つ!」。どう見ても80歳以下には見えない。その昔、深川で鳴らした御仁とお見受けする。ちらりとアタシのテーブルを見て、「最近の男はあまり食わなくなったな」。
「そ、そうですね」
半ライスを見抜かれたか。そこに若女将がカレーを持ってきた。先輩の視線の先が変わり、ホッとするアタシ。
店内は作業着のお兄さんやサラリーマン、学生風からカップルまで多種多様。外国人観光客はいない。
七福は創業の昭和42年以来、ずっと家族経営。今は両親と若女将である娘さんの3人で切り盛りしている。帰りに「実用洋食」の由来を聞いてみた。手を休めた娘さんが「手軽に食べられて、いろんなものがあって、安くておいしくて、お腹がいっぱいになるご飯」。簡単明瞭。「実用」とは実際に役に立つこと。つまり、体の役に立つ洋食ということか。カレーライスの先輩を見れば納得だね。(藤井優)
○実用洋食 七福
江東区白河3-9-13