『バチェロレッテ・ジャパン』S3“本当”の楽しみ方 偏差値高めな人たちの“頭で恋する恋愛学”が詰まっている!

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コクハク

恋リアには“お約束シーン”が

 恋愛リアリティー番組『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン3(Amazon Prime Video)が、今まで観たことがないような展開だと話題です。
 今回のバチェロレッテは東大卒の元官僚女性ということもあり、参加男性も高学歴な人が多めだからなのでしょうか。そもそも頭がいい人は、どんな恋愛をしがちなのでしょうか。

(※この記事はネタバレを含みます)

【内藤みかのあたらしいのがお好き】

「バチェラー」や「バチェロレッテ」などの恋愛リアリティー番組が増えていくにつれ、「お約束シーン」というものもできた気がします。たとえば花火や夜景は、番組が盛り上がるお決まりのシチュエーションと思われます。

 そして触れ合い。参加者たちは、お互いの気分が盛り上がってくると、手をつないだり、ハグをしたり、時にはキスをすることもあります。

 私たち視聴者はそれをテレビ画面越しにドキドキしながら、見守るのです。

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高学歴はふれあいが苦手?

 しかし『バチェロレッテ・ジャパン』S3は、この触れ合いが極度に少なかったのです。東大卒のバチェロレッテはまだあまり親しくなっていない異性との接触は苦手らしく、男性が「アーン」と差し出すスプーンにも決して口を開きませんでした。

 これは異例の事態です。今までのバチェラーやバチェロレッテは、参加者が差し出すスプーンには素直に口を開けてきたはずです。

 それだけにしょっぱなから口を開けないヒロインは、「今回のシリーズはいつもとどこか違うぞ」という印象を視聴者に与えたと思います。

「頭のいい人の恋愛」とは
 バツイチである筆者の元ダンは、実は東大大学院卒です。そして筆者の息子も偏差値70以上の大学を出ています。なので、頭のいい人の恋愛パターンを身近で観察してきました。彼らはひとことでいえば、頭で恋愛するのです。

 彼らはとても慎重で、軽率な行動はしません。そのためボディータッチをされてもその気になったりはしないのです。

 今回のバチェロレッテがスプーンに口を開かなかったのは、触れ合いを重視していなかったからではないでしょうか。

賢い人の脈アリサインとは

 恋愛リアリティーがテレビ番組として人気なのは、それが絵になるからです。ハグやキスはもちろん、不安や嫉妬の表情、それから両想いになれた喜びの表情などがあらわになるから、こちらも見入ってしまうのです。勇気を出して好きな相手のそばに近づいてアピールする様子もしばしばドラマチックに映されていますよね。

 けれど高学歴系の人は、自分の感情を悟られまいと、上手に隠してしまいます。嫉妬の感情が湧いても(ここで自分が怒った顔をしたら雰囲気を壊してしまう)などと瞬時に脳内シミュレーションを行い、グッとそれをこらえてしまうのです。

 あまり感情を顔に出さないため、テレビ番組としての盛り上がりは足りなかったかも。

推理ゲームのようにじっくり考えたい人向け

『バチェロレッテ・ジャパン』S3は、出演者が何を考えているかよくわからない、と彼らの本音が見えづらく感じたシリーズだったかも知れません。しかしだからこそ筆者はとても楽しめました。

 平気な顔をしているけれど、実は内心動揺しているんだろうな、などと隠された心理を読むのは、推理ゲームのように楽しめたのです。

 高学歴系の人たちはできるだけ失敗を回避したがります。そのため、まわりくどい会話で相手の本音を探ろうとします。そして恋のテンポは非常にスローで、相手の気持ちをしっかり確かめてからボディータッチに移ります。自分の気持ちが固まるまでは無闇に相手に触れないのです。

慎重な恋を応援したい

『バチェロレッテ・ジャパン』S3では、1カ月ほどの期間で運命の相手を見つける必要があったようです。それは、あまりにも短かったのかもしれません。その期間で結婚を前提に交際する相手を選ぶというのは、彼らの脳内シミュレーションの範囲を超える急すぎる展開だったのではないでしょうか。

 けれど筆者は、頭の中で色々考えながら、それでもお互いに歩み寄ろうとしていた出演者たちの真摯な姿に心を打たれました。そして改めて、恋愛というのは勢いではなく、もっと時間をかけて育てる大切なものなのかも知れないなと教えられました。

 派手な恋愛模様だけでなく、時には静かでどこか不器用なシリーズがあるのも、人間味が感じられて良いのではないでしょうか。

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「バチェロレッテ・ジャパン」シーズン3
配信開始日/2024年6月27日(木) 20時よりPrime Videoにて独占配信中
話数/全9話
6月27日(木)20時 第1話-第4話
7月4日(木)20時 第5話-第7話
7月11日(木)20時 第8話-第9話
製作/Amazon
コピーライト/©2024 Warner Bros. International Television Production Limited.
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(内藤みか/作家)

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