「子なし。自分ファースト妻との仮面夫婦、価値ある?」気持ちが途切れた40代男【冷酷と激情のあいだ~男性編~】

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コクハク

5年前から離婚を考えていた

「冷酷と激情のあいだvol.208〜女性編〜」では、夫婦関係が冷え切って7年が経過し、仮面夫婦の関係に満足していると話す妻・郁美さん(40歳・仮名)の心情をお届けしました。
 しかし夫であるナオユキさん(43歳・仮名)は、ここへきて離婚の2文字を口にする機会が増え、郁美さんは夫の真意を図りかねています。ナオユキさんは今の夫婦関係についてどんな気持ちでいるのでしょうか。

【冷酷と激情のあいだ~男性編~】

「えーっと…、俺はもう離婚するっていうのを、心のなかでは完全に決めているんですよね。

 あとは時期の問題ですかね。郁美との結婚生活はもはや破綻しているのが現状で、夫婦を続けても、僕にとってはいいことは何もありませんから」

 穏やかな口調で、こう話し始めたナオユキさん。聞けば、離婚については5年ほど前から熟慮を重ね、最近になって自分のなかで結論が出たと言います。

 ちょうどコロナ禍で夫婦で過ごす時間が増えたころに、ナオユキさんは今の夫婦関係に大きな疑問を抱き始めたと振り返ります。

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離婚をしなかったワケ

「ウチ、結構早い段階で仮面夫婦だったんですよ。で、子どもがいないでしょ? だから、夫婦のあいだを繋ぐ絆みたいなものが極端に薄いんです。

 それでも離婚をしなかったのは、まぁせっかく結婚をしたしっていうのと、あんまりすぐに離婚をして両親を驚かせたくないっていうのが大きかったかな。

 あとはコロナ禍だったから、環境を変えにくかったっていうのもありますね。

 だけどほら、最近は世間でもみんなけっこう離婚をしているし、僕のまわりでも20代や30代前半で結婚をした奴らが、ポツポツと離婚をしているから、僕もそろそろかなって…」

 ナオユキさんは、決して感情的になることはなく、淡々と自分の気持ちを告げながら、結婚生活についての不満も口にします。

夫婦をしていく価値がない

「郁美は、自分さえ良ければいいタイプなんです。

 だから僕としては、夫婦をしていく価値がない。生活費にしても、僕のお金をあてにしているのがミエミエで、僕のほうが収入は高いので多く負担させられています。

 それでいて家事は『共働きだから』を理由に折半で、僕のほうが何かと負担が多い生活が続いているんですよ。

 もうね、僕としてはそういう生活に対して未練もないし、夫婦を続けなくちゃって無理をしていた気持ちが、プツンと切れちゃったあとなんですよね。

 なので、誰に何を言われても、離婚をする意思は揺らがないですね」

弁護士を探し中

 今の段階で、ナオユキさんは浮気をしているわけでも、他に気になる女性がいるわけでもないと言い、「とにかく郁美との夫婦関係を終了させたいだけ」とのこと。

「あとは本当にタイミングだけっていうか、どうやって離婚をするかを具体的に進めるだけです。

 周囲の離婚経験者にも話を聞かせてもらっていますが、やっぱり弁護士を入れたほうが揉めずに進めやすいのかなって思って、今は法律事務所のサイトを見ながらどの弁護士に依頼しようか選んでいるところです。

 え? 郁美は絶対に離婚をしないんじゃないかって?

 うーん、だとしても僕の心はもう決まっているし、5年も考えた末の結論ですからね。郁美が何をどう言ってきても、もう郁美に気持ちが戻ることもないです。

 だからこっちとしては、どんなに長期戦になったとしても、粛々と離婚を進めていくだけですね」

  ◇  ◇  ◇

 恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。

 まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。

(並木まき/ライター・エディター)

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