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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

タトゥーがある人は悪性リンパ腫の発症リスクが1.8倍に スウェーデンで患者約3000人に調査

公開日: 更新日:

 日本では、「タトゥーは歴史的に特定の集団に属する人がするもの」といった認識がありますが、海外ではファッションとして入れる人が増えています。欧米では2割以上の人がタトゥーを入れているという報告もあるほどですから、これはもう一般的な習慣のひつつとなっているのです。若い年代で特にその比率が多いことも世界的な傾向です。

 タトゥーは特殊なインクを皮膚に挿入して、皮膚に絵や文字を描く行為です。そのインクは長期間皮膚に留まることになります。タトゥーインクには多環芳香族炭化水素と呼ばれる物質や、金属などが含まれています。そして、その成分には発がん性が指摘されているものが確認されています。皮膚にそうして沈着した発がん物質は、周辺のリンパ腺に移行することも確認されています。

 それでは、発がん物質が皮膚やリンパ腺に留まることで、健康上の危険はないのでしょうか?

 今年のランセット系の医学誌に、悪性リンパ腫という血液のがんと、タトゥーとの関係を検証した論文が掲載されています。スウェーデンにおいて3000名近い悪性リンパ腫の患者さんを調査したところ、タトゥーを入れてから2年以内に悪性リンパ腫を発症するリスクは、入れていない人の1.81倍高くなっていました。

 タトゥーの健康への影響については、今後より深く調査をする必要がありそうです。

【連載】医者も知らない医学の新常識

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