岐路に立つニッポンの主食…コメ価格が高騰でも廃業農家急増のナゼ
背景には、やはり円安・物価高で肥料や農業薬剤、ガソリン・軽油が高騰したことがある。加えて、担い手の高齢化や後継者不足が追い打ちをかけた。
■もう安くは食べられない
「生産コストの上昇に、価格転嫁が追い付いていません。『コメは安いもの』という消費者の強い考えが、価格への反映を妨げています。今の米価は高いどころか、生産者にとってギリギリのラインだと思います。さらに今後の安定供給を目指すには、新規就農者の呼び込みや設備投資、農地拡大のための資金を確保する必要がある。もっと高値が適正とさえ言えるでしょう」(TDB情報統括部・飯島大介氏)
もはや、これまでと同じ価格では、コメ農家の経営が成り立たなくなっているのだ。
「消費者も今回の騒動をきっかけに、コメ農家が置かれた現状を知ってほしい」(飯島大介氏)
値上げを受け入れなければコメを食べ続けることはできない。消費者も岐路に立たされている。