問われる“石破語法”の実効性…総裁選で言及「保険証廃止見直し」「マイナ併用」忘るべからず
天皇が内閣の助言と承認により「衆議院を解散する」と定めた憲法7条を根拠とする、いわゆる「7条解散」をめぐり、早くも批判の的になっている石破新首相。内閣不信任案の可決がされた場合によらずに内閣の判断で行う「7条解散」に否定的な立場を貫いてきたが、首相就任前の9月30日の会見で「10月27日投開票」に向けて解散方針を表明した。
早期解散を求める党幹部の声に応じた結果だが、国民の不安の声に耳を傾けられるのかどうか。マイナ保険証への一本化に伴う健康保険証の廃止の「見直し論」を忘れてはいけない。
石破新首相は総裁選への出馬を表明していた先月8日、保険証廃止について「紙(の保険証)がなくなることで不利益を感じる人がなくなることが第一だ」と指摘。「(現行保険証とマイナ保険証の)併用も選択肢として当然だ」と訴えた。
本をただせば「見直し論」は総裁選のライバルだった林官房長官が言い出しっぺだ。石破発言の前日、林氏は「(マイナ保険証には)いろんな不安の声が出てきている」として、保険証の廃止期限の見直しも含めて「検討したい」と主張。石破新首相が同調したことも手伝い、マイナ保険証と保険証廃止がにわかに総裁選の争点に浮上した。