歴史的転換点に立つ大阪市の喫煙規制(3)コロナ禍より経営が厳しい飲食店に喫煙規制が追い打ち
国際観光都市にふさわしい環境美化の推進--。誰もが反対できないような言葉の裏側で進む喫煙規制。今回の路上喫煙防止に関する条例改正にばかり注目が集まっているが、万博開催年の2025年4月以降は、大阪府受動喫煙防止条例により客席30平方メートル超の飲食店で原則屋内全面禁煙となる。中小・零細の飲食店は、店内に喫煙専用室を設置する余裕がなく、やむなく店内を禁煙とせざるを得なくなる。そういう状況に1月からの路上喫煙全面禁止が重なるのである。
いったい、どんな事態が起きるのだろうか。昨年11月に大阪市議会議長あてに「路上喫煙禁止に対する陳情」を出した大阪府飲食業生活衛生同業組合(おおさか飲食組合)の陳情書にはこんな記載がある。
<法令順守のため、やむを得ず店内を禁煙としても、やはり喫煙を志向されるお客様は存在されるので、店頭等で灰皿を設置して客離れを防ぐべく経営していく組合員も少なくない>
<そのような中で路上が全面禁煙となると、多くの喫煙者が店頭等の灰皿に集散することが想像できます。そうなるとお客様は、店が混雑していると認識し、入店を回避することも想定され、飲食店経営はより厳しいものとなります。既に路上喫煙禁止エリアが定められている周辺の飲食店等ではそのような事象が発生しています>