春から始めたい実家の熱中症対策(1)長年使っていない冷房は動作確認を
気象庁の予報によると、今年の夏も全国各地で高い気温になる確率が高いという。「観測史上1位」「これまでに経験したことのない〇〇」など毎年のように異常気象が叫ばれる昨今では、ある程度覚悟を持ってこのニュースを受け止めた人が多いはず。
それほど今の日本の夏は冷房が欠かせなくなっている。いくら電気料金が上がり家計を圧迫しようが、熱中症になるよりマシと割り切るしかないのが実情だ。ところが、高齢者世帯は少し事情が異なる。冷房そのものを嫌う人が多い。なぜなのか?
昔から冷房なしで暮らしてきた。言うほど暑さを感じない。冷たい風が嫌い。体が冷えて体調を崩してしまう。電気代がもったいない……。ゾロゾロ出てくる。冷房がないほうが体調がいいと話すつわものもいる。
それで何も問題なければいいが、消防庁や厚生労働省の調査によると熱中症による救急搬送や死亡者の多くは高齢者だ。老化により暑さや喉の渇きを感じにくく、汗をかきにくいので体温を下げることができず、自覚がないまま重症化する率が高いからだ。