(1)「大食い」「肥満」でも低栄養…体格とイコールではない
最近よく耳にする「フレイル(虚弱)」。加齢によって心身が衰え、要介護の危険が高まった状態のことを指します。
現在、75歳以上の後期高齢者における要介護の原因は、認知機能低下や脳血管疾患とともにこのフレイルが大きな要因となっています。一方で、フレイルは早期に気づき、適切に対処することで改善・進行抑制が期待できます。
では、具体的に何をすべきか? 食生活面で外せないのが「さまざまな食品をしっかり食べる」こと。というのも、フレイルの大きな原因のひとつが低栄養で、低栄養を改善しない限りフレイルの進行を止めることは難しいからです。
低栄養はさまざまな弊害を招きます。例えば、何らかの病気を患っている場合、合併症リスクが高まります。ケガが治りにくくなり、ひいては死亡率の増加にもつながります。
たくさん食べている、もしくは太っているから低栄養ではないと思われた方もいるかもしれません。栄養が十分に取れているかは、体格とイコールではありません。食べる量が多かったり、太っていたりしても、脂質や糖質に偏っていれば、低栄養になります。