三越伊勢丹の萎縮経営 コロナ禍の慎重姿勢でリストラの嵐
「一昨年の株主総会で杉江社長は店舗閉鎖は当面しないと言っていたのに、舌の根の乾かぬうちに前言を翻した」(OB)
3月末には恵比寿三越の来年2月の閉店を発表。リリースされたのは従業員のコロナ感染が発覚する前だ。「同店は大幅改装したばかり。やっていることが矛盾だらけ」(前出のOB)と杉江社長への風当たりは強い。
「コストカッター」の異名も持つ杉江社長だが、前向きな戦略をまったく打ち出していないわけではない。今年2月、日本橋三越本店の新館6階フロアにビックカメラがオープンした。
■希望はビックカメラ
「日本橋本店は日本最古の百貨店。家電量販店を入れることに反発もあったが、杉江社長が押し切った」(中堅社員)
提案したのはビックカメラ側から。新宿東口の店舗(ビックロ)を三越伊勢丹から借りている関係もあって、ビックカメラの宮嶋宏幸社長が杉江社長に打診した。
「三越の客層に合わせた品揃えを条件にまとまった。欧米では高級家電を扱う百貨店が成功を収めていて、杉江社長も乗り気になった」(ビックカメラ関係者)